パズルの知育効果を期待して、1歳のお子さんとパズル遊びをしようと考えている保護者の方もいるのではないでしょうか。パズルに知育効果があることはわかっていても、具体的にどのような力が育まれるのかは知らない人も多いかもしれません。
そこで今回は、北海道旭川市豊岡にある小規模保育園「ふたばの庭」の保育士が、お子さんがパズル遊びをすることで育まれる力を解説します。また、1歳のお子さん向けの初めてのパズルの選び方や遊ぶときのポイントも確認しておきましょう。
目次
パズル遊びをすることで育まれる力は?
子どもがパズル遊びをすると、以下のような力が育まれていくといわれています。ここでは、具体的にどのような力が育まれていくのかを確認しておきましょう。
集中力・忍耐力
パズルは完成するまでに時間がかかることが多く、すぐに結果が得られないことがほとんどです。
そのため、子どもは長い時間集中して取り組む「集中力」と、あきらめずに続ける「忍耐力」を自然と養います。
この持続的な取り組みが、のちのち学習や課題に取り組む際の姿勢にもプラスとなることが期待できるでしょう。
達成感
パズルを最後まで完成させることで、子どもは達成感を感じられるようになります。この達成感は自己肯定感を高め、「自分でもできる」という自信を育んでくれるでしょう。
特に難しいパズルに挑戦し、それをやり遂げたときには、その達成感がさらに大きくなり、子どもにとっての成功体験となる可能性があります。この経験が、次の課題や挑戦に対するモチベーションとなり、意欲的に取り組む力を引き出してくれるでしょう。
論理的思考力
パズルを進めるうえでは、全体像を頭に描きながら、部分的なピースをどう配置するかを論理的に考える必要があります。このような思考を繰り返すことで、物事を順序立てて進める力が育まれるため、論理的思考力が強化されるでしょう。
また、パズルを解く際のプロセスを通じて、どのように効率的に目標を達成するかという計画性も学べるようになります。
目と手の協調性
パズルのピースを手で持ち、目で確認しながら所定の位置に置く作業は、目と手の連携が必要です。特に1歳児のような幼児期には、手の動作と視覚を結びつける目と手の協調性が発達することが期待できるでしょう。
この作業をすることで、微細運動の発達が促進されるため、手先の器用さが高まっていくことが期待できます。
空間認識能力
パズルを解くためには、形や色の違いを観察し、それらがどのように組み合わさるかを考えなければなりません。
このプロセスを通じて、視覚的な情報をもとに物の位置や形を理解する空間認識能力が育まれていくことが期待できます。これにより、図形や立体を理解する力が向上するため、将来の数学的な学習の習得にも役立つでしょう。
問題解決能力
パズルを完成させるためには、ピースがどこに合うのかを考え、適切な選択をする必要があります。この過程で子どもは試行錯誤を繰り返し、自分なりの解決策を見つける能力が育まれていくでしょう。
また、うまくいかないときには別の方法を試す力が身につくため、柔軟で論理的な問題解決能力が発達していくことが期待できます。
記憶力
パズルを進めるうえでは、過去にどのピースを試したか、どこに置いたかを覚えておく必要があります。
このため、パズルをすることで視覚的な記憶力が自然と鍛えられていくでしょう。視覚的な記憶を活用することで、ピースの形や色、配置を思い出し、適切なピースを選ぶ能力が向上することが期待できます。
1歳児におすすめのパズルの選び方
ここでは、1歳児におすすめのパズルの選び方を紹介します。
ピースが大きめのパズルにする
1歳のお子さんとパズル遊びをするのであれば、大きめのピースで作られているパズルを選ぶようにしましょう。
まだ小さなピースを扱うのはこの年齢の子には難しく、誤飲のリスクもあるため、手でしっかりと掴めるサイズのものを選ぶことが大切です。大きなピースは誤飲を防ぐだけでなく、子どもの手で持ちやすいというメリットがあります。
3~6ピース程度の数が少ないパズルにする
1歳のお子さんが使うパズルは、ピース数が3~6ピース程度の数の少ないものを選ぶようにしましょう。
この年齢の子どもは、長時間集中して取り組むことが難しいため、短時間で成功体験を得られるように、シンプルな構造のパズルが適しています。早く完成させられることで、子どもはできたという達成感を味わえるでしょう。
耐久性のあるパズルにする
1歳のお子さんは、物を噛んだり投げたりすることが多いです。そのため、丈夫で耐久性のある素材のパズルを選ぶとよいでしょう。
たとえば、木製やしっかりした厚紙製のパズルは、長持ちするだけでなく、適度な重みがあるので、ピースを扱いやすいというメリットがありますよ。
はめ込み型のパズルにする
1歳のお子さんにとって、もっとも遊びやすいパズルの形式は、はめ込み型パズルでしょう。
このタイプはパズルのボードにくぼみがあるため、その形に合うピースをはめ込むというシンプルなタイプで、形を認識しやすいのが特徴です。
明るくてシンプルなデザインのパズルにする
1歳のお子さんとパズルをするなら、明るくてシンプルなデザインのものを選ぶようにしましょう。
色のコントラストがはっきりしているパズルは、視覚的な認識力を育てるだけでなく、子どもが自然と手に取りたくなるような魅力があるため、子どもの興味を引きやすいです。
特定のテーマのあるパズルにする
動物や果物、乗り物などのテーマを取り入れたパズルも、1歳のお子さんにおすすめです。子どもが遊びながら自然と単語を学んだり、日常的なものに興味を持ったりするきっかけになるかもしれません。
また、パズルを通して、視覚的な情報と実際の物の名前を結びつけることができるので、言葉の発達にもよい影響を与えてくれるでしょう。
1歳児とパズル遊びをするときに押さえておきたいポイント
1歳の子どもとパズル遊びをするときに、何か気をつけるべきことはあるのでしょうか。ここでは、1歳児とパズル遊びをするときに押さえておきたいポイントを紹介します。
子どものやりたいことを尊重する
パズルをするときは正しく解くことを求めがちですが、正しい解き方に固執せず、子どもが自由にやりたいことを尊重することも大切です。
1歳という年齢だと、ときにはピースを投げたり、違う形にはめてみたりすることもあるかもしれませんが、それも成長の一部と捉えるようにしましょう。
このような自由な遊びを通して、子どもは新しい視点や考え方を自然に身につけていくことが期待できます。そのため、余計な口出しはせず、そばで見守るようにしましょう。
完成したときはしっかりと褒める
1歳児にとって、成功体験は非常に重要です。パズルのピースをうまくはめ込んだり、完成させることができたりしたときには、しっかりと褒めてあげましょう。
「よくできたね!」「すごいね!」などのポジティブな声かけをすることで、子どもは自信をつけ、さらに挑戦する意欲を持つようになります。
成功体験を繰り返すことで、遊びを楽しむ心や次のチャレンジへのモチベーションを高めることができるでしょう。
一緒に遊びながらサポートをする
1歳児はまだ自分だけでパズルを完成させるのは難しいことが多いです。親や大人が一緒に遊んで、少しずつサポートしてあげましょう。
最初に一緒にピースを選びながら、「これは青い色だね」「丸い形だね」といった言葉かけをすることで、色や形の認識を促すことができますよ。
子どもがうまくピースをはめられたら、しっかりと褒めてあげることで、達成感と自信を育めるでしょう。
子どものペースに合わせる
パズルを解く速度や興味を持つ時間は、子どもによって異なります。そのため、一緒に遊ぶ大人は子どもが自分のペースで考えながら取り組めるよう、無理に急かさないことが大切です。
もし子どもがパズルに飽きてしまったら、強制せずにほかの遊びに切り替えることを検討しましょう。子どもが自発的に興味を持って遊べるよう、遊びのリズムを尊重してあげてくださいね。
まとめ
今回は、パズル遊びをすることで育まれる力を紹介しました。パズル遊びは、お子さんの集中力や忍耐力、論理的思考力など、さまざまな力を育む効果を期待できます。どれもお子さんの成長を促す大切な力ばかりなので、ぜひパズル遊びをしてみてはいかがでしょうか。
また、1歳のお子さんとパズル遊びをする際は、年齢に適したパズル選びをすることも大切です。お子さんが遊びやすいパズルを選んであげてくださいね。
「ふたばの庭」は、北海道旭川市豊岡にある小規模保育園です。私たちの強みは、第2の家のような感覚で子どもたちに安心感を提供できる環境や関わりがあることです。
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